目次
  1. 結論:口コミ返信のAI自動化は「下書きまで」が正解
  2. 口コミ返信をAIで自動化する3つのレベル
  3. レベル1:無料の汎用AIで下書きを作る
  4. 自店専用の返信AIを無料で作る(プロンプト全文)
  5. 星の数で返信を変えるプロンプト
  6. レベル2:口コミ返信の専用ツールを使う
  7. レベル3:完全自動投稿を勧めない理由
  8. AIと代行、どちらを選ぶか
  9. AIに書かせた返信で必ず直すところ
  10. まとめ

結論:口コミ返信のAI自動化は「下書きまで」が正解

  • AIに任せていいのは下書きの生成まで。投稿前に人が1回読む工程は残す
  • 自店専用の返信AIは、ChatGPTやGeminiの無料の範囲で作れます(この記事にプロンプト全文を載せています)
  • 専用ツールは月数千円から。口コミが月20件を超えたあたりから検討する価値が出ます
  • 口コミが投稿された瞬間にAIが自動投稿する構成は、事故ったときに取り返しがつきません

口コミ返信は、1件あたり5分でも月30件なら2時間半かかります。営業中に手が空くわけもなく、結局まとめて処理して定型文になる、というのがよくある流れです。

AIを使えばこの時間は10分の1になります。ただし、どこまでAIに渡すかを間違えると、事故ったときの被害のほうが大きくなります。この記事では自動化を3つのレベルに分けて、どこで止めるべきかまで書きます。

口コミ返信をAIで自動化する3つのレベル

やること費用向いている店
レベル1無料の汎用AIに下書きを作らせ、人が投稿する0円口コミが月20件以下。まず試す段階
レベル2専用ツールで口コミの取り込みから下書きまで自動化。投稿は人が承認月数千円〜口コミが月20件以上、複数店舗
レベル3口コミの投稿を検知してAIが自動で返信まで投稿するツール費用+構築原則おすすめしません(後述)

ほとんどの店はレベル1で足ります。レベル2に上げる判断基準は「口コミの件数」より「店舗数」です。1店舗なら、AIに下書きを作らせて自分で貼るほうが速く、文面の精度も上がります。

レベル1:無料の汎用AIで下書きを作る

ChatGPT・Gemini・Claudeのいずれでも構いません。無料の範囲で十分動きます。

やり方は単純で、口コミの本文を貼り付けて「返信文を作って」と頼むだけです。ただし、これだけだと出てくるのは当たり障りのない文章になります。

この口コミへの返信文を作ってください。
「先生が非常に丁寧に教えてくれた。毎週通うのが楽しみ。」

これで返ってくるのは「この度は嬉しいお言葉をありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします」のような、どの店でも使える文です。他店の返信と見分けがつきません。

AIの出力が平凡になるのは、店の情報を渡していないからです。次の章のプロンプトを使ってください。

自店専用の返信AIを無料で作る(プロンプト全文)

ChatGPTの「GPTs」、Geminiの「Gem」を使うと、店の情報を毎回入力しなくて済みます。一度作れば、あとは口コミを貼るだけになります。

どちらも無料アカウントで作れます。作成画面の「指示(Instructions)」に、次をそのまま貼って、〇〇を自店の内容に置き換えてください。

あなたは「〇〇(店名)」の口コミ返信を担当するスタッフです。
ユーザーが貼り付けた口コミに対して、投稿用の返信文を3案作成してください。

# 店の情報
- 業種:〇〇
- エリア:〇〇
- 客層:〇〇(例:近隣にお住まいの30〜50代、リピーターが中心)
- 強み:〇〇(例:カウンセリングに時間をかけている、駐車場が広い)
- 文体:〇〇(例:ていねいだが硬すぎない。店主本人が書いたような温度感)
- 締めの署名:〇〇(例:店長 〇〇/スタッフ一同)

# 返信の構成
[高評価の口コミ(星4〜5)]
1. 来店と投稿への感謝
2. 褒められた点を、口コミに出てきた言葉を拾って具体的に受ける
3. 次回にできることを1つだけ提案する
4. 締め

[低評価の口コミ(星1〜3)]
1. 来店への感謝と、不快な思いをさせたことへの謝罪
2. 指摘された内容を自分の言葉で言い換える(読んだことが伝わるように)
3. 実際に改善したことを書く(ユーザーが入力しなかった場合は
   「【要記入:改善したこと】」と明示して空欄で出す)
4. 次回の案内

# 必ず守ること
- 150〜200文字
- 投稿者の来店日・施術内容・悩みなど、個人が特定される情報は書かない
- 事実確認ができないことを認めない。反論もしない
- 割引・クーポン・特典の話は書かない(Googleのポリシー違反になるため)
- 「今後とも精進してまいります」など、内容のない定型句だけで終わらせない
- 3案はそれぞれ違う書き出しにする

# 出力形式
案1/案2/案3 の見出しをつけて、本文のみを出す。解説は不要。

このプロンプトの肝は、低評価のときに「改善したこと」を空欄で出させているところです。ここをAIに埋めさせると「今後改善してまいります」という中身のない文が必ず出てきます。何を変えたかは、店の人しか知りません。

星の数で返信を変えるプロンプト

上のプロンプトには星の数による分岐を入れてあります。運用するときは、口コミを貼るときに星の数を添えてください。

星5
「先生が丁寧に教えてくれた。毎週通うのが楽しみ。」
星2
「予約したのに30分待たされた。説明もなかった。」
改善したこと:予約枠を1時間あたり1名減らし、遅れが出た場合は
受付から声をかけるようにした

低評価のときだけ「改善したこと」を1行足す、という運用にすると、返信の質が安定します。逆に言えば、この1行を書けない口コミには、まだ返信しないほうがいいということでもあります。

レベル2:口コミ返信の専用ツールを使う

複数店舗を持っていたり、口コミが月20件を超えてくると、口コミを1件ずつコピペする作業自体が負担になります。この段階で専用ツールを検討します。

型としては3つあります。

できること費用の目安
無料の返信文ジェネレーター口コミを貼ると返信案が出る。取り込みや投稿はしない無料
MEO管理ツールのAI返信機能口コミの取り込み・下書き生成・投稿までを1画面で行う月数千円〜
業務ツールの連携(n8n など)口コミの検知から下書き生成まで自由に組めるツール費用+構築の手間

無料の返信文ジェネレーターは各社が出しています(EmbedSocial、ビズ研、クチコミマーケなど)。ただしやっていることは汎用AIと同じで、店の情報を毎回入力する必要があるものがほとんどです。GPTsやGemを一度作ってしまえば、そちらのほうが手間は少なくなります。

有料ツールの価値は返信文の質ではなく、口コミの取り込みと投稿までが1画面で終わることにあります。EmbedSocialは1店舗1,100円からと表示されています(2026年8月時点/料金は変わることがあります)。

レベル3:完全自動投稿を勧めない理由

「口コミが投稿されたらAIが自動で返信まで投稿する」構成は技術的には可能です。ツールを売る側は勧めてきますが、店舗の運用としては勧めません。

理由は3つあります。

事実確認をしないまま謝罪してしまう

身に覚えのないクレームや、来店していない人の投稿にも、AIは同じように「申し訳ございませんでした」と返します。謝罪が公開された時点で、読んだ人には事実として伝わります。

悪質な投稿に反応してしまう

誹謗中傷や嫌がらせの投稿は、返信せずに削除申請へ回すべきものです。自動投稿だとこの判断ができず、口コミ自体を目立たせてしまいます。

全部同じ文面になっていることに誰も気づかない

人が読まない運用にすると、似た文面が並んでいても誰も気づきません。口コミ一覧を上から読んだお客様のほうが先に気づきます。

自動化するなら、下書きの生成までを自動にして、投稿だけは人が押す。この1工程を残すだけで、上の3つはすべて防げます。

AIと代行、どちらを選ぶか

「口コミ返信 代行」で探している方も多いので、比較しておきます。

AIで自分でやる返信代行に頼む
費用0円〜月数千円月1〜5万円程度が相場
返信までの速さその場で投稿できる業者の稼働に依存する
店の事情の反映自分で書けるので正確共有した範囲しか反映されない
「改善したこと」書ける書けない(現場を知らないため)
手間1件あたり1〜2分ほぼゼロ

分かれ目は、改善したことを書けるかどうかです。悪い口コミへの返信は、何を変えたかが書かれてはじめて意味を持ちます。ここは現場にいる人しか書けません。

代行が向いているのは、良い口コミが大量に来ていて、感謝の返信を回すだけで手一杯という状態です。悪い口コミの対応まで丸ごと渡すのは勧めません。

AIに書かせた返信で必ず直すところ

AIの下書きをそのまま投稿する前に、次の4点だけ確認してください。1件30秒で済みます。

  • 事実と違うことを書いていないか — AIは口コミの内容から状況を推測します。「〇〇の件では」と勝手に補われていないか
  • 個人が特定される情報が入っていないか — 来店日、施術内容、担当者とのやり取り
  • 謝罪していい内容か — 身に覚えのないクレームに謝罪していないか
  • 改善したことが埋まっているか — 「【要記入】」のまま投稿しない

いちばん多いのは1つめです。AIは空白を埋めようとするので、口コミに書かれていない事情を補って書きます。ここだけは毎回目で追ってください。

まとめ

  • AIに渡していいのは下書きの生成まで。投稿前に人が読む工程は残す
  • 自店専用の返信AIは、GPTsやGemを使えば無料で作れます。この記事のプロンプトをそのまま使えます
  • 低評価への返信は「改善したこと」を人が入れる。ここだけはAIに書かせない
  • 専用ツールの価値は文面の質ではなく、取り込みと投稿が1画面で終わること
  • 完全自動投稿は、事実確認なしの謝罪と悪質投稿への反応という事故が防げない

返信の手順そのものはGoogle口コミ返信の方法に、そのまま使える文面は悪い口コミへの返信例文12選サロンの口コミ返信例文14選にまとめています。

まずはGPTsかGemを1つ作って、直近の口コミ3件で試してみてください。自店の情報を入れた瞬間に出力が変わるのが分かるはずです。